HOME 羽川英樹


ハーさんの週間日記 日記 〜Diary〜

12月26日(水) 近江八幡でこんな建物発見!

年末とは思えない穏やかな暖かい陽気の中、BBCのロケは前回に引き続き近江八幡へ。市街地から5分ほど車で走った円山町で、こんなどっし」りとした木造和風建築を発見。瓦葺で入母屋の大屋根は昔の小学校にも見えるし、「千と千尋の神かくし」に出てくる湯屋のようにも見える。実はこれ、明治42年に蒲生郡勧業館として建築されたものらしい。そして昭和41年からは、なんと近江八幡ユースホステルとして利用されているというのだ。

明治42年に建築された現・近江八幡ユースホステル

これは面白いやないかということで、早速中を見せてもらうことに。趣きのある唐破風の玄関からはいると、談話ロビーあたりにはしっかり明治が残ってました。そして受付には、たしかにユースホステル加盟の看板が。食堂は学校の寮という感じのアットホームさ。いま利用料金は宿泊料3360円、夕食1050円、朝食520円なり。館内のあちこちにピアノが置いてあるのは音楽合宿が多いためだそうだ。

受付にユースホステル加盟の看板が 学校の寮という感じのアットホームさ

明治を感じさせる広い重厚な階段を登って2階へ。廊下の窓からは近江平野や山々が一望。晴れた日には、きれいなパノラマが視界いっぱいに広がってくる。客室はすべて和室で、この写真の部屋で8人対応。1階にはバリアフリー対応や、ベッド対応のお部屋もある。 僕らが学生時代に使っていたときのユースホステルといえば、(1)酒が飲めない (2)スリーピング・シーツのたたみ方を習得 (3)食器は自分で洗う (4)食事後 ペアレントと談話 (5)宿泊者同士ロビーでゲームやフォークソング などが強制されていたが、今はちがうらしい。 アルコールOKだし、食器も洗わないし、食後の行動もまったく拘束なしで自由・・・と変わったもんですねえ。

明治を感じさせる広い重厚な階段 窓からは近江平野や山々が一望
8人対応の和室

また利用客も若者にプラス 元気な年配者もかなり増えているという。それ以外にも 外国人客や建築研究家にも大人気。全国的にもかなり珍しい建物のユースホステルである。宿泊客はペアレントの勧修寺(かじゅうじ)さんご夫妻と息子さんたちが迎えてくれる。ただ築まもなく100年のため 冬場に宿泊の際は、隙間風や底冷えなど夜間は寒さも予想されます。防寒具などをお持ち下さい。でも、ぜひ一回泊まってみたくなるユースなんですわ。

ペアレントの勧修寺さんご夫妻

今年も このホームページをご覧いただき ありがとうございました。来年も僕の体験したこと、感じたこと、面白いスポットなどを どんどんこのコーナーで更新していきます。どうぞ お楽しみに。では どうか よいお年をお迎え下さい。

12月19日(水) 名古屋のレトロ2大商店街を歩く

全国地方銀行労働組合総会のお招きで「リーダーとしての部下を育てるコミュニーケーション・コーチング」と題した講演を、名古屋のホテルでさせてもらった。講演終了後、市内をなつかしく散策してみた。というのもう7年前、僕は名古屋テレビの夕方ニュースのキャスターをしていた時期があって、1年ほど名古屋に単身赴任していたのだ。その時と比べて、まあ今の名古屋の元気なこと。高層ビルやおしゃれな商業施設はドンドン建っているし、歩いてる女性たちは美しいし、夜の繁華街にも人がたくさん繰り出している。まさに名古屋バブルである。いやあ、正直こりゃ大阪は完全に負けてるやんと思ってしまった。さてそんな名古屋で今回は、あえて古きよき香りのする商店街を少し歩いてきたので報告してみよう。

大須観音

まずは、繁華街・栄にもほど近い大須商店街へ。大須観音の参拝の道中にひらけた商店街は、浅草に似た香りが漂う。ここには老舗の大須演芸場があり、寄席や大衆演劇をいまでも観ることができる。ちなみに08年の正月公演は、正司敏江・怜児(漫才)、田辺一鶴(講談)、神田聖子(ものまね)などが出演するとか。なつかしいメンバーやなあ。

老舗の大須演芸場 なつかしいメンバーやなあ

いま この大須は老若男女・親子3世代が同時に楽しめるスポットして、全国から大注目される商店街になっている。門前町の浅草のムードをベースに、名古屋一のパソコンショップが集中して秋葉原のように、古着・ヤングカジュアルが充実してアメ横のように、名古屋最大のディスカウントショップ「コメ兵」本店のあたりは新宿のように、それに骨董・老舗商店は巣鴨のように・・・といろんな街の魅力が総合的にふくまれているのだ。 この日もクリスマス前ということもあって、平日なのに昼過ぎから大勢の買い物客が訪れていた。いやあ活気ありましたわ。

老若男女・親子3世代が同時に楽しめる大須 いろんな街の魅力が総合的にふくまれている

つづいては 西区にある円頓寺(えんどうじ)商店街>。地下鉄・国際センター駅から歩いて8分ほどのところにあり、名古屋駅まではタクシーでワンメーターだ。(ちなみに名古屋のタクシーはいま初乗り小型480円・中型500円でがんばっている)。かつては芸者置屋・映画館・寄席・銭湯などもあって賑わいを見せた名古屋最古の商店街だが、いまは大須とは対照的にひっそりと静まりかえっている。ただ昭和の下町のムードはたっぷり残っていて、店先からは「やっとかめだなも(久し振りやねえ)」とか「丈夫にしてりゃーした?」などの生粋の名古屋弁が、今にも聞こえてきそうな気配だ。

円頓寺(えんどうじ)商店街 大須とは対照的にひっそり
初乗り小型480円・中型500円でがんばっている

その商店街から一筋路地をはいると、レトロな飲み屋街・円頓寺銀座があった。そのうちの1軒「やはぎ」?さんは、ランチが安くて旨い店として有名なので早速はいってみることに。お昼の日替わりおまかせ定食は1種類だけだが、近くの中央市場で店主が仕入れた魚を中心にメニューが構成される。本日のメインはよーく脂ののった鰆の塩焼き。それに小鉢2品と味噌汁・漬物がつく。僕はその中でも特製の味噌汁が気にいってしまった。色は薄いオレンジなので、何かなあと思って口にいれてみると、なんと糟汁ではないか。それに八丁味噌をいれてあるので、こういう色になるのだ。酒粕と赤味噌が旨くミックスされて、濃厚で旨いかす汁になっているのだが、名古屋はこれが多いらしい。またこのお店では、昼の定食はおかず・ごはん・味噌汁など すべてがお替りOKなのだ。これでお値段500円は嬉しいんじゃない。味噌煮込みうどん・きしめん・味噌カツ・エビフライ・手羽先・鰻のひつまぶし・・・など名古屋名物は多いが、たまにゃレトロスポットで こんなランチも面白いよ。

レトロな飲み屋街・円頓寺銀座 ランチが安くて旨い店として有名な「やはぎ」
すべてがお替りOKでお値段500円!濃厚で旨いかす汁

12月12日(水)初冬の近江八幡で出逢ったもの

BBCの「ぐるっとびわ湖環状線」のロケは近江八幡へ。まずは近江鉄道・武佐駅のすぐ近くにある井上硝子工業を訪ねる。ここは明治16年創業という歴史あるガラス瓶製造所である。事務所で温厚そうな井上相談役にお話を伺うことに。当初は眼科医で使う点眼瓶をつくっていたらしいが、業績が大きく伸びたのはあのなつかしいニッキ水の瓶を製造し始めてからだとか。この瓶は金型を使わず、息を吹き入れて独特のひょうたん型をつくるためかなりの技術を擁したという。昔の配送表も見せてもらったが、住所は近江八幡市ではなく蒲生郡武佐村で電話は51番。また屋号は「びん屋 井上商店」となっており、瓶の形もよりひょうたんに近い。現在でもこの会社では、ニッキ水の瓶を県内で唯一製造しているのだが、レトロブームにのってまた生産は増えているという。

近江鉄道・武佐駅のすぐ近くにある井上硝子工業を訪ねる 井上相談役にお話を伺うことに
屋号は「びん屋 井上商店」となっており、瓶の形もよりひょうたんに近い ニッキ水の瓶を県内で唯一製造している

次に、近江八幡で唯一の酒蔵・西勝酒造訪ねる。八幡堀にも程近い「あきんど道」にあるお店で社長に話を伺った。ここでは貴醸酒・湖東富貴(ことぶき)オールドがおすすめ。平安時代の天上人や貴族たちが愛飲した酒のレシピを再現しているのだ。グラスにはいった茶褐色は7年寝かさせたものらしい。飲むと日本酒というより紹興酒に近い香ばしさと上品な甘さがある。この酒でしばし、雅びな時代の貴族の気分に浸ってみるのも楽しいかも。隣接する飲食処・酒遊館はかつての蔵を改造した落ち着いたムード。丸いテーブルは酒樽の底をくりぬいたものらしい。赤こんにゃくや丁子麩などの郷土料理をアテに一献傾けるのもオツなものだ。

「あきんど道」にあるお店で社長に話を伺った 貴醸酒・湖東富貴(ことぶき)オールドがおすすめ
酒遊館はかつての蔵を改造した落ち着いたムード

取材の途中に話題のラーメン缶の自動販売機を発見。昨年のおでん缶に続いて今冬 新登場したもので、まだめったにお目にかかれない自販機だ。さっそく300円をいれて購入。しょうゆ・ミソ・昔ながらの中華などの種類があるが、僕はシンプルに昔ながらの中華を選ぶ。麺は伸びないようにコンニャク麺が使用されていた。期待をもって試食をしてみたが、率直に言うともう1回食べたいとは思わない商品であった。理由は4つ。(1)熱々ではなく少しさめている。(2)量が280gと少ない。 (3)スープがまずい。(4)300円は高い・・・。これらを改善しないと売れないと思うけど、もしこんな自販機見つけたら一度自分の舌で試してみてはいかが?

話題のラーメン缶の自動販売機を発見 おでん缶に続いて今冬 新登場したもの
しょうゆ・ミソ・昔ながらの中華などの種類がある 麺は伸びないようにコンニャク麺が使用

12月5日(水) 軽便鉄道の旅 IN 四日市

本日は大津から四日市まで車で向かう。ナビでルートを検索すると第一候補は 大津<名神>一宮<名古屋高速>四日市と出るが、これはどう考えても大回り。そこで僕は第二候補の大津<名神>栗東<R1>亀山<東名阪>四日市を選択する。これのほうが距離が短いし、高速料金も半額以下で済む。ただ栗東からの国道1号は大型トラックが多く、湖南市石部・甲賀市水口などで慢性的に渋滞を起こすのが難だ。結局大津を出て2時間半で四日市到着。人口30万は、県庁所在地の津市(人口28万)を抜いて三重県トップ。臨海部には巨大な石油コンビナートをもつ重工業都市である。

今回の目的は、この四日市で日本でも数少ない軽便鉄道に乗ることである。通常の電車のレール幅(これを軌間という)は1435mmで大手私鉄や新幹線はこれを採用しており標準軌と呼んでいる。これに対しJR在来線やローカル私鉄などは軌間1067mmでこれを狭軌と呼ぶ。ところがそれよりも軌間が狭い762mmという特殊狭軌を使って走っている列車を軽便鉄道と呼ぶのだ。現在でも森林の木材輸送や石炭輸送などには活躍するが、乗客を乗せ運行しているのは、この三重県内を走る近鉄内部・八王子線(四日市始発)と三岐鉄道北勢線(桑名始発)だけとなったのだ。

軌間が狭い762mmという特殊狭軌を使って走っている列車を軽便鉄道と呼ぶのだ

近鉄四日市の9・10番ホームが内部・八王子線の乗り場。ちょうど高架になっている名古屋線ホームの真下に乗り場がつくられている。3両編成のミニ電車はオレンジ・ピンク・グリーンとカラフルだが色の統一感はまったくない。僕の乗った内部線は昼間30分の運行で、終着の内部までの5,7kmを17分(8駅)で結ぶ。線路幅が狭いのでスピードは出せず、最高時速も45km/hどまり。運転席の速度計も60km/hまでしか表示がない。昼間に乗車したが、四日市の住宅地を走るためそこそこ客の乗り降りはあるし、朝夕は通勤・通学でかなり込み合うらしい。

近鉄四日市の9・10番ホームが内部・八王子線の乗り場 オレンジ・ピンク・グリーンとカラフル
最高時速も45km/hどまり

3両のうち最後部車両は左右にひとりがけシートを配置し、真ん中に通路があるがこれでも通路を歩くのはかなり狭い。他の車両はロングシートを使用しているが、座席に座ると向かいに座ってる人と男同士なら足がぶつかるくらいの狭さ。このシーンを写真に収めようと 足元だけを撮影しようとしたら、座っている若い女性ににらまれてしまい断念。ぼくのことをスカートの中を盗撮する変態と思ったんでしょうかねえ。そこで終着で客が全部降りてから駅員さんに頼んで、こんなポーズを撮影。これで狭さわかってもらえます?両手広げてちょうどいっぱいなんです。

左右にひとりがけシートを配置 これで狭さわかってもらえます?

終着・内部駅は静かな何の変哲もない駅。こっそり引きこみ線に降りて、線路内に体を沈めてみる。僕の大きな体がなんとかおさまるって感じでしょうか。大手私鉄の標準軌1435mmと比べると、半分強の762mmという線路幅だが小さな体をフルに使ってがんばってる姿には感動。 その昔三重県は軽便王国と呼ばれ、県内に北勢鉄道・四日市鉄道・三重鉄道・安濃鉄道・中勢鉄道・松坂軽便鉄道と6つの軽便鉄道が存在していたらしい。しかし現在では、この近鉄内部・八王子線は通常の乗客輸送する軽便電車としては全国的にも貴重な存在になってしまったのである。

静かな何の変哲もない駅 僕の大きな体がなんとかおさまるって感じでしょうか

 

2007年11月>>

上に戻る

Copyright© 2003-2009 BIG-FACE All Rights Reserved.
  「羽川英樹の京・奈良・近江*みつけ旅」スポンサーサイト 財布と鞄の通信販売 バッグ修理 e-mono Online Shop
鞄・バッグ・財布の修理&リフォーム|アトリエ8845